福島県沖の試験的な漁

       福島県沖の試験的な漁は、安全性と消費者の信頼を確保するため、海域と、対象とする魚介類を限定して実施されています。

  福島県沖では、原発事故が発生した直後、海流が南に向かって流れていたため、事故後しばらくは福島第一原発の南側にあたるいわき市沖の海域の方が北側よりも魚介類の放射性物質濃度が高い傾向が見られました。

  このため試験的な漁は、去年6月値が最も低かった北部の沖合の海域で始まりました。

  その後、福島県などが定期的に続けている魚介類の検査で多くの魚介類の放射性物質の値は下がる傾向が続いていることから漁を行う海域は順次拡大され、ことし3月には北部の沿岸で小型船による漁も始まりました。

  そして、今回、南部のいわき市沖にも海域が拡大され、いわき市の2つの漁協が初めて試験的な漁を行えるようになりました。

  対象の魚介類は、放射性物質がたまりにくいとされ実際の検査でも値がほとんど検出されていないタコやツブ貝など当初の3種類から始まり、その後、徐々に増えて現在は比較的沖合の底引き網漁船でとる16種類と北部の沿岸でとるシラス・コウナゴの合わせて18種類になりました。