今月、4号機の山側にあるタンク

  福島第一原子力発電所で、タンクから汚染水が漏れ、海に流れ出たおそれがある問題は今も原因が分かっておらず、東京電力は漏えい箇所の特定に時間がかかることを想定した原因調査の計画を示しました。

  これに対し原子力規制庁は原因しだいでは対策の進め方が大きく変わることから特定を急ぐよう指示しました。

  福島第一原発では、今月、4号機の山側にあるタンクから、高濃度の放射性物質を含む汚染水300トン余りが漏れ、一部が海につながる側溝を通じて、原発の専用港の外の海に流出したおそれが出ています。

  この問題は汚染水対策を検討する原子力規制委員会の作業部会で取り上げられました。

  この中で東京電力は水漏れにつながるものとして、タンクの鋼鉄製の板のつなぎ目の緩みや使われている部品の劣化、それに側面や底の腐食などさまざまな可能性が考えられることや、タンク内の放射線量が今も高いことなどを説明しました。

  そのうえで、漏えい箇所の特定に時間がかかることを想定して今後1週間をめどにタンクの除染を行って、中で人が調査できるようにし、その後、タンクを解体して詳細な調査を行うとする計画を示しました。

  これについて原子力規制庁は、タンクの継ぎ目の緩みなど、同じタイプのタンクで共通して起きるような原因だった場合、高濃度の汚染水をためているおよそ300基のタンクすべてで早急に対策が必要になるとして、特定を急ぐよう指示しました。