土俵の外には防護服に身を包んだ勝負審判

  フランスの新聞が、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の問題に絡めて、腕や足が3本ある力士2人が土俵で立ち会っている絵に、「福島のおかげで相撲がオリンピック競技になった」とコメントしている風刺画を掲載しました。

  風刺画を掲載したのは11日付けのフランスの新聞「カナール・アンシェネ」です。

  この風刺画は、原発の汚染水の問題に絡めたもので、1人は腕が3本、もう1人は足が3本ある極端にやせた力士2人が土俵で立ち会い、土俵の外には防護服に身を包んだ勝負審判とみられる人物2人が座っています。

  そして「すばらしい。福島のおかげで相撲がオリンピック競技になった」というコメントを載せています。

  この新聞は、フランス政界を巡る暴露記事などで知られる週刊紙で、編集部はNHKの取材に対し、「原発事故が収束していないなかで、東京でオリンピックを開催することへの驚きを表現しており、日本人を傷つけようとしたものではない」とコメントしています。

  これに対してフランスの日本大使館は、「大使館としてどのような対応を取るか検討している」と話しています。

  フランスでは去年10月、公共放送のフランス2が、サッカー日本代表として活躍するゴールキーパー川島永嗣選手の腕が4本ある合成写真を番組で使用し、司会者が「福島の影響ではないか」などとコメントしたため日本大使館が抗議し、フランス2側が謝罪しています。