中国製の冷凍ギョーザから殺虫剤の成分が検出された事件

  5年前、中国製の冷凍ギョーザから殺虫剤の成分が検出された事件で、ギョーザを製造した工場の元従業員に対する初公判が30日、中国の裁判所で開かれ、男は犯行を認めて被害者に謝罪しました。

  この事件は2008年1月、河北省の食品加工会社、天洋食品が製造した冷凍ギョーザを食べた千葉県と兵庫県の男女、合わせて10人が食中毒の症状を訴え、うち1人が一時重体になったものです。

  中国の捜査当局は2年後、元従業員の呂月庭被告(39)を、工場で製造されたギョーザに殺虫剤の成分「メタミドホス」を混入した危険物質投与の罪で起訴し、30日、河北省石家荘の裁判所で初公判が開かれました。

  北京にある日本大使館の職員や、日本メディアの代表など合わせて80人が傍聴するなか、3時間に及んだ裁判で、検察側は日本のほかに中国国内でも4人の被害者が出たことや、呂被告が会社での待遇や給与に不満があったと指摘しました。

  一方の呂被告は丸刈り頭で「私がやりました」と起訴内容を認めたうえで、「被害者に申し訳ない」などと謝罪しました。