先月の全国の銀行の融資残高

  先月の全国の銀行の融資残高は、去年の同じ月に比べて2.3%増えて1年10か月連続で前の年を上回り、企業や個人への貸し出しは、緩やかな増加傾向が続いています。

  日銀の発表によりますと、全国の銀行による先月の融資残高は405兆5081億円で、去年の同じ月に比べて2.3%増えました。前の年の同じ月を上回ったのは1年10か月連続で、伸び率は4年1か月ぶりの水準となりました。これは、海外企業の買収など企業の資金需要が伸びたことに加えて、消費税率の引き上げを見越した住宅の購入が増え、個人の住宅ローン向けの資金需要が伸びたことが主な要因です。

  ただ、日銀がことし4月、大規模な金融緩和策を導入して以降、企業や個人への貸し出しが大幅に増加するまでには至っておらず、今後、企業の設備投資などの資金需要がどれだけ出てくるかが鍵を握るとみられています。

  日銀は、「銀行の融資残高は緩やかに増加しており、今後もこの傾向は続くのではないか」と話しています。