大型の台風18号は午前8時前に愛知県豊橋市付近に上陸し

  大型の台風18号は東海・北陸や関東甲信の一部を暴風域に巻き込みながら北上し、静岡県と愛知県では1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降っています。気象庁は、厳重な警戒と安全の確保を呼びかけています。

  気象庁の発表によりますと、大型の台風18号は午前8時前に愛知県豊橋市付近に上陸し、16日午前10時には長野県飯田市付近を1時間に45キロの速さで北北東へ進んでいるとみられます。

  中心の気圧は975ヘクトパスカル、最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、中心の南東側170キロ以内と北西側110キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。

  この時間、東海・北陸と関東甲信の一部が暴風域に入っています。

  近畿や東海では降り始めからの雨量が多いところで550ミリを超えています。滋賀県と福井県では数十年に一度しかないような記録的な大雨となり、気象庁は大雨の特別警報を発表しています。

  京都府に出ていた特別警報は、先委ほど大雨警報に切り替えられました。これらの地域では、土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫などの大規模な災害に最大級の警戒が必要です。

  台風に近い東海などの各地で急激に雨が強まっています。

  レーダーによる解析では、午前9時までの1時間に、▽静岡県の浜松市北部の山間部付近と富士宮市付近でいずれもおよそ110ミリ、▽愛知県の豊田市小原地区付近でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられます。また、午前9時半までの1時間には、▽長野県の阿智村浪合で67ミリの非常に激しい雨を観測し、▽ 岐阜県中津川市で46ミリの激しい雨が降りました。

  風も強まり、▽愛知県豊橋市で午前7時20分ごろに39.4メートル、▽東京の都心では午前9時すぎに32.5メートルの最大瞬間風速を観測しました。

  これまでの雨で近畿や東海・北陸、関東甲信、それに福島県では土砂災害の危険性が非常に高くなっている地域があり近畿と東海・北陸では川が増水して氾濫の危険性が非常に高くなっている地域があります。

  関東甲信や東北では、このあと午後にかけて台風が接近し、急激に雨や風が強まる見込みです。西日本と東日本では夕方にかけて、北日本では今夜にかけて、雷を伴って非常に激しい雨が降る見込みで、局地的には1時間に80ミリから100ミリの猛烈な雨が降るおそれがあります。

  17日朝までに降る雨の量は、いずれも多いところで、▽東北と関東甲信、それに東海で300ミリ、▽北陸で250ミリ、▽近畿と北海道で200ミリと予想されています。

  東日本と北日本を中心に非常に強い風が吹く見込みで、最大風速は、陸上では、▽関東甲信と東北、近畿で23メートルから25メートル、▽中国地方と東海・北陸、北海道で20メートル、海上では、23メートルから30メートル、最大瞬間風速は35メートルから45メートルに達すると予想されています。

  西日本から北日本かけての太平洋沿岸は大しけとなり、関東と東海、近畿の沿岸では波の高さが9メートルと猛烈なしけが続く見込みです。16日は広い範囲で土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫、暴風、高波に厳重な警戒が必要です。落雷や竜巻などの突風、高潮による浸水にも十分注意する必要があります。

  気象庁は地元の市町村からの情報や周囲の変化に注意し、直ちに安全な場所に避難するか外に出るのが危険な場合は建物の上の階に移動するなど、できるだけ安全な場所で身を守るよう呼びかけています。