高齢者への虐待を実際に目撃

  高齢者の介護計画などを作るケアマネージャーの40%以上が、高齢者への虐待を実際に目撃したり、虐待を受けたことに気付いたりしているという調査結果を愛媛大学などの研究チームがまとめました。

  この調査は、ことし2月、愛媛大学医学部などの研究チームが行い、愛媛県内で活動している412人のケアマネージャーが回答しました。

  それによりますと、「高齢者への虐待を実際に目撃したり、虐待に気付いたりした」と答えたのは181人で、全体の44%に上りました。

  虐待の多くは介護に当たる家族や親族が行っていて、「タバコの火を押しつけたり、暴力を振るっていた」、「エアコンをつけさせず、脱水症状にしていた」などの報告がありました。

  こうしたケースに対して、「自治体に相談して、高齢者を施設に入所させた」などの対応があった一方で、「虐待を指摘したあと、介護している家族につきまとわれるなど嫌がらせを受けた」、「行政に相談したが、十分に対応してもらえず、悩んでいる」などの声も寄せられました。

  ケアマネージャーで、今回、調査に当たった愛媛大学附属病院の石川朋子さんは、「ケアマネージャーが高齢者虐待への対応に追われている実態が分かった。ケアマネージャーから行政や警察につなげていく態勢作りがもっと必要だ」と話しています。

  この調査結果は、21日に愛媛県で開かれる日本高齢者虐待防止学会で報告されます。