今月16日の竜巻で被災した埼玉県熊谷市

  今月16日の竜巻で被災した埼玉県熊谷市で、全壊した寺の地蔵堂のがれきの撤去作業に合わせて文化財の調査が行われた結果、本尊の中から小型の仏像が見つかりました。

  熊谷市では、今月16日、台風18号の接近に伴う竜巻で、30世帯の住宅が全半壊するなど700棟余りの建物が被害を受け、がれきの撤去作業などが続けられています。

  このうち浄安寺では、市の有形文化財の仏像600体以上を納めた地蔵堂が全壊し、がれきの撤去作業に合わせ、文化財の調査が行われました。

  その結果、江戸時代中期に作られた高さ60センチほどの木製の本尊が、4つに割れた状態で見つかり、中の空洞から高さ20センチほどの小型の仏像が見つかりました。

  胎内仏と呼ばれる仏像で、熊谷市教育委員会によりますと、本尊に胎内仏があることは、今回初めて分かったということです。

  熊谷市教育委員会の山下祐樹学芸員は、「竜巻の被害で本尊の中に胎内仏が入っていることが分かり驚いたが、貴重なものなので寺と話し合って修復していきたい」と話しています。